全行程の職人を抱える、最高峰の京友禅染元
  ある日、一人の染元さんが店を訪れた。
そして、手持ちの付下げを見せてくれたが、その瞬間ハッとさせれた。
そこにある花は生きていた。
大地に生え、太陽に照らされ、風が吹き、
その風に乗ってやってくる香りまで感じられるようだった。
 
その染元は、いまや京都でもほとんどなくなってしまった、全行程の職人を抱える染元だった。
彼らのつくる着物は、芸術である。
染元がイメージする世界を、各工程の職人が一流の技をもって実現し、命を吹き込んでいく。
一流の技に加え、花々の、枝の、葉の、波の特性までしっていることで、
その平面に奥行を連想させる着物がつくられるのだろう。
この染元の着物を見るたび、着物の芸術性を再認識させられる。
絵の世界観を五感すべてで感じ、その技の重みをしっかりと体でまとっていただきたい。
熱を込めずには語れない、京友禅の最高峰である。(文・若女将)

 
 
 作業工程のご紹介
【下絵】

「ここには○○寺の屏風の桜」と社長が伝えるイメージ通りに絵を描いていく下絵職人。部屋には歴史上の絵の資料がたくさん。社長のデザイン、イメージ通りの大きさ、タッチ、表情で絵を描く下絵。この工程で絵の基本が決まります。

【糊置き】

『色が混ざり合わないための防波堤』の役割をするのが糊置き。下絵の線の上から糊で線を辿ります。糊は、現在では、力が要らず楽に書ける「ゴム糊」を用いることがほとんどです。しかし、この染め屋では天然糊にこだわっています。
ゴム糊は洗ったあともゴムが少し残り、仕上がりに影響してくるからです。最高の逸品を創りあげるために、高度な職人技を要する天然糊にこだわっています。

【友禅挿し】

色を挿す作業は、染料をすぐに乾かすため年中火鉢の上で行なわれます。
今までに使った色はすべて布にブロック上に塗って保存してあり、「あの着物のこの部分に使った色」と言えばそれを再現できるようにしているのです。色の調合には鋭い感覚と高い技が必要とされます。

【引き染め】

写真のように、ハケを使って手で染めていくのが引き染めで、染料にザブッとつける浸し染めとは違い、もっとも手間がかかり、高度な染め技といわれます。職人は、色ムラができると取り返しがつかないため、作業中はずっと無言でザザザーと染めていきます。風をたてることも温度差も染めムラにつながるため許されず、シンとした室内で黙々と染めていきます。色の深みを出すために2度、3度と引き染めをします。
集中力を要す、スピーディーな作業と同時に、細部へいたる神経の細やかさが必要とされる作業です。

 
    
和歌山の着物専門店
明治11年創業 べにや呉服店
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